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0202ポンコツバロン「回転する夜」/0206「私のホストちゃん」THE FINAL:感想

ポンコツバロンプロジェクト第二弾「回転する夜」2/2夜@紀伊国屋サザンシアター
(作:蓬莱竜太 演出:和田憲明 制作:ネルケプランニング

ちょっとびっくりするくらい面白かったです。丁寧にリアルにしんどくて泣くほどだったのに、完璧に優しい終わり方をする。すごかった。物語としては赤澤さん演じるノボルが自分の弱さだったり駄目さだったりってものに夢現の世界で向き合っていくみたいなそんな話だったと思うんですが、その内面の描写の丁寧さだけじゃなくて展開そのものもとにかくスリリングで引き込まれた。
そしてその脚本と対峙するポンコツたちの演技も素晴らしかったです。赤澤さんの劣等感弱さ自意識ではち切れそうなどうしようもなさ、ノボル自身が自分のそういう弱さや駄目さに向きあっていく物語だったと思うから、そういう意味で彼に託された部分はすごく大きかったんじゃないかと。第一弾のときとは比べ物にならないくらい演技が良くなってる。
味方さんの役は、勉強はできないけど本質的に聡くて、いつもみんなの中心にいるような役。味方さん自身とかなり近い役だったんじゃないんでしょうか。味方さん自身も、自分で自分は頭良くないって言うこともあるけど聡い人だなって思う。それから若手俳優同士でしゃべる場になると、ふざけた空気を作るのも真面目な空気にするのも味方さんがきっかけになることが多いと思います。ノボルに対し乱暴な態度を取る人が多いなかで彼だけが優しくて正しくて、ノボルと二人きりになったシーンで思わず泣いた。
西島さん。役のせいか少し見た目の雰囲気が変わりましたね。美形は美形ですけど、妖精みたいなな感じから陰のある雰囲気になったというか。彼はとにかく激情にとらわれた瞬間の演技が迫力あって怖いですよね。ノボルを詰りながら手を上げるシーン、SEじゃない本当に殴る音がしてぞくっとした。
イケメンに他とは違う本格芝居やらせてますみたいな作り手の自意識みたいなのが好きではないので、この作品も始まる前はちょっと心配だったんですが(エンタメじゃないってだけの自己満足になってないか)、ただ単純に面白い作品で良かったです。エンタメかそうじゃないか、漫画原作か文学原作かオリジナルか、とかそういうの関係なくただ面白い作品を観たいし、応援してる顔の美しい俳優が出ていてくれたら観たいと思うきっかけはより増える。こういう作品に若手俳優が出られることが貴重な機会じゃなく普通のことになればいいな、と思います。
ポンコツバロンプロジェクトというものがつまり何なのかいまいちよく分かってないんですが、テニミュだったりドルステだったりってとこからたくさんの若手俳優を輩出してるネルケが、若手俳優にいまやってほしいことをそのままやらせてる感じなのかな、と思ってます。前作(オズからの招待状)は10歳年上の俳優との共演。前作の作劇そのものはぜんぜん好きじゃなかったんですけど、若手、イケメンと呼ばれる彼らの、若くなくなる将来のための作品だったなって、そういうのをやりたいのはすごく分かったから結果良かったです。そこらへんがなんだかんだ安全安心のネルケだなあと。思います。

 
舞台「私のホストちゃん」THE FINAL~激突!名古屋栄編~ 2/6夜@銀河劇場
(総合プロデュース:鈴木オサム 脚本演出:村上大樹
 
悪名高きホストちゃんシリーズ。でも観る気もなくお金も払わず文句だけ言うのはどうかと思うし、システムの是非はともかく作品自体は面白いとの評判を信じてチケットを取りました。びっくりするほど面白くなかったです。一幕の芝居部分、作り手はどこが面白いつもりで作っているのかすら分からなかった。伏線も何もない行き当たりばったりの連続。見せ場もない。ホストである意味もラグビーである意味も2.5次元の意味も母親がいない設定の意味も何もない。ただひたすら何もなさすぎてイライラすらしなかった。例えば2.5次元アイドルのくだりだって、パフォーマンススキルで選ばれたメンバーがビジュアルだけで選ばれたメンバーに対して俺らは顔だけでここにいるお前とは違うんだよみたいなこと言ってバチバチするシーンがあってここ掘り下げればめっちゃ面白くなりそうなのに、ここの確執自体流されたという。ほんとここどうなったんだっけ。
ホストたちがナンバーワンを目指さないといけない理由も酷かった。このホストのなかの誰かがママの息子の可能性がある!誰かは分からないけど息子はナンバーワンのすごいやつに決まってるから投票しようぜ!ナンバーワンになったやつがママの息子だ!って。そんなことのためにホストクラブの客がホストに貢ぐわけないじゃん…。
ホストたちもあれだけいてキャラクター設定がほぼ全くないの逆にすごいと思う。感情のある物語のメインキャラはホストたちではないオーナーとかそこらへんの大人たちで、他のホストは役もキャラも代替可能。黒羽さん演じる新キャラの璃来哉は比較的出番も多かったけど、ナレーションみたいな台詞がほとんど。
もしも俳優を誰も知らない人が観にきて一幕観てから誰に貢ぐか決めよう~なんて考えてたら誰にも決められないと思う。顔と立場以外みんな一緒だから。というかランキングの結果が芝居に関わってくるから、誰が一位になっても同じじゃなきゃいけないんですよね。本末転倒。最初から全レビューで良かったんじゃないか。
何よりホストちゃんで許せなかったのは作中で続編フラグを立てたこと。ファイナルって言ったのは自分なんだから大人しく終わってくれ。新キャスト導入でよっぽど貢がれたんですかね。久保田秀敏さんの「ママ♥♥♥」は良かったです。